台湾リノベ+文化創意 【台湾レトロめぐり図鑑】

台湾の文化創意産業(文創)とリノベーションでよみがえったスポットの魅力を紹介します

台湾の有形文化資産って?

台湾の有形文化資産は、文化部文化資産局の管理のもと、「古蹟(史跡)」「歴史建築」「考古遺址(考古遺跡)」「文化景観」「聚落建築群」「文化保存区」「遺物」などのカテゴリーに分類され、国家的・地域的な観点から保護・活用が進められている。これらの文化資産は、国家(国定)、直轄市、縣(県)市の3つのレベルで指定され、文化的・歴史的価値に応じて異なる管理体制が敷かれている。

ここでは、これらのうち保存・活用とその文化創意リノベーションの視点から、「古蹟(史跡)」「歴史建築」「文化景観」「聚落建築群」の4つに焦点を当て、それぞれの特徴と台湾における保護・活用の状況についてふれる。

1. 古蹟(史跡)
台湾の文化資産の中で最も歴史的価値が高く、国家、直轄市、省(県)市の3つのレベルで指定される。オランダ統治時代、清朝統治時代、日本統治時代、中華民国時代などの異なる時代に築かれた建造物が含まれる。軍事施設、宗教施設、教育機関、行政建築など、多様な用途の建築があり、台湾の歴史を象徴するものとして特に厳格な保護の対象となっている。

2. 歴史建築
古蹟よりも指定基準が緩やかで、地域の文化や歴史を反映した建築物。伝統的な住宅、市場、公共建築、工場などが含まれ、都市の再開発や地域振興の一環として修復・再利用されることが多い。国家・直轄市・県市の各レベルで指定されるが、古蹟に比べると文化財としての法的拘束力は弱く、活用の自由度が高い。近年では、文化創意産業の拠点や文化商業施設としてのリノベ事例も増えている。

3. 文化景観
人間の活動と自然環境が相互作用して形成された景観で、歴史的・文化的価値のある地域が指定される。台湾の産業を支えた一帯、伝統的な農村・漁村・都市の歴史地区、茶畑や棚田などが含まれる。地理的・社会的背景を反映し、特定の産業や文化と密接に関連する景観が多い。文化資産としての指定を受けた後、地域住民と協力しながら景観保護と活用のバランスを取る取り組みが進められている

4. 聚落建築群
歴史的背景を持つ建築群で、特定の集落や地域に形成されたもの。伝統的な住居群、寺院群、軍事施設群、旧官庁建築群などが含まれ、地域の歴史や文化を反映する重要な要素となっている。単独の建築ではなく、集落や地区全体の価値が評価される点が特徴で、歴史的景観の維持や地域活性化のために修復・保存が進められている。

 

2024年3月22日現在、台湾の有形文化資産の数は以下のとおりである。(出典:文化部文化資産局の「国家文化資産網」)

 

国、直轄市、縣別の古蹟と歴史建築の数

分類 国定 直轄市 縣(市)定 合計
古蹟 110 515 417 1,042
歴史建築 0 932 823 1,755

主な地域別の有形文化資産の数

地域 古蹟 歴史建築 文化景観 聚落建築群 合計
台北市 204 310 5 2 521
基隆市 16 29 2 1 48
新北市 93 175 6 3 277
宜蘭縣 41 50 3 2 96
桃園市 29 62 2 1 94
新竹市 42 38 1 1 82
新竹縣 31 40 2 1 74
苗栗縣 18 30 1 1 50
台中市 58 120 4 2 184
彰化縣 60 75 3 1 139
南投縣 18 35 2 1 56
雲林縣 28 40 1 1 70
嘉義市 17 29 1 1 48
嘉義 24 32 1 1 58
台南市 140 180 6 3 329
高雄市 51 90 4 2 147
屏東縣 27 40 2 1 70
台東縣 0 10 1 1 12
花蓮 20 25 2 1 48
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