台湾のリノベーションは、日本のように保存することに固執せず、古い建物を積極的に「活用する」ことに重きを置いている点が特徴である。特に、日本統治時代の建物が多く残っており、これらは台湾の歴史と文化を象徴するものとして再評価されている。
近代化遺産保存の推移
1980年代以降
経済成長期の都市開発による破壊と保存意識の高まり
1987年
戒厳令(1949~)解除により台湾アイディンティ意識の高まり
1999年
台湾中部大震災を契機に、登録文化財制度の発足
2000年
公共建設の民間参与促進法の施行
2002年
WTO加入による産業遺産の破壊と保存運動の高まり
2002年
国家発展重点計画において、文化創意産業の振興の位置づけ
1982年施行
文化資産保存法を施行
2002年改正
文化資産だけでなく、文化性資産を新たに設定
登録文化財「歴史建築」制度の導入
2005年改正
保存・修復だけでなく再利用(計画)の重視
地方からの文化財保存を重視
2016年改正
記念建築、史跡文化財の追加
築50年以上の官有建築物や土地について、処分の際の価値評価の義務化