孫立人將軍官邸は、日本統治時代の1909年に建てられた和洋折衷様式の木造二階建て家屋で、当初は台湾総督府土木局水道課の課長官邸として使用されていた。原設計は、現在も残る台湾の主要官庁を設計した森山松之助によるものである。
建設後は台灣總督的臨時官邸や日本陸軍高級幹部の接待所など多様な用途に使用され、1929年には、木造家屋部分が大きく増築されて、台灣軍(日本軍の台湾駐屯軍)司令官官邸として使用されるようになっていった。軍幹部の居住および接待機能も兼ね備え、日本庭園や回廊などもつけられた。
戦後からは、孫立人将軍が台灣陸軍総司令として赴任した際の官邸となり、その後は軍のクラブなどとして転用されていた。2004年には、台北市の市定古蹟に指定されている。孫立人將軍官邸は、2016年にリノベーションされオープンした。館内にはレストラン、カフェ、ここの歴史的経緯などの展示スペースなどが設けられている。建物の入り口には「陸軍軍官俱樂部」時代の看板が現在も残されており歴史的な趣を感じさせる。このリノベは、2017年に台北老屋新生賞を受賞している。(訪問年月:2025年6月)
- 文化資産登録名称:原臺灣軍司令官官邸(孫立人將軍官邸)
- 文化資産分類:直轄市定古蹟 建物種類:宅第
- 指定登録年月:2004年1月
- リノベ設計:卓銀永建築師事務所

△屋根などに和洋折衷のデザインもみえる。リノベして客席になった部分はガラスで囲うことで、かつての構造をみせている。

△施設全体のエントランス。

△奥の白い部分が元の和洋折衷の家屋で、手前の日本家屋が1929年に増築された部分。

△日本庭園と増築された日本家屋の外観。

△日本家屋の日本庭園とは反対の前庭からの外観。カフェの入口ともなっている。

△宴会などにも使われる大テーブルの客席。

△日本家屋をリノベしたカフェの客席。

△日本庭園をのぞめるカフェの客席。

△ギャラリーにもなっている中廊下。

△歴史的経緯などの展示。
▽元の和洋折衷の官邸を設計した森山松之助については、こちらから。
