台湾文学基地は、日本統治時代の1920~1940年代にかけて建てられた7棟の日式住宅(日本家屋)群をリノベーションし、台湾文学と歴史的建築を繋ぐ文化施設として、2021年に全面オープンした。
幸町職務官舍群と呼ばれるこのエリア(現在の泰安街、齊東街)は、日本統治時代の総督府の各職位の官僚の宿舎(日式住宅)が集積していた。戦後は、空軍司令官と副司令官の官邸(濟南路の2棟)、国民党の職員寮や台湾銀行行員の宿舎として使われた。1990年以降、取り壊しの危機にも瀕し、地域からのボットムアップでの保存活動が始まったエリアでもある。
北西の1棟は保存状態がよく当時の日式住宅の様子に再現された。その他の棟はほぼ廃墟状態であった。また建設当時から増改築が重ねられていたことから、各時代の生活様式や痕跡を丁寧に読み取り、保存するもの、捨て去るものを見極めながら、現在の材料や技術をうまく活用してリノベされた。そして、2022年台北老屋新生特別賞を受賞している。
この施設は、台南にある「国立台湾文学館」の運営で、台北の「台湾文学基地」と近くにある「台湾文学糧倉」が、どちらも台北分館という位置づけで、文学振興の拠点となっている。こちらでは、文学や文化活動を通じて台湾文学の魅力を発信する場として、市民に開放されている。7つの建物は、展示や読書スペース、カフェなどとして利用されている。また、ライター・イン・レジデンス制度により、国内外の作家を招聘し、執筆活動や一般向けの特別講座も行われている。(訪問日:2023年12月、2026年1月)

△施設のエントランス。右側が悦読館、左側が齊東舎。

△施設全体でメインの「齊東舎」の外観。

△齊東舎の縁側の部分で、日本の雰囲気を十分に感じさせる。

△齊東舎での歴史展示。

△齊東舎での八角形の窓と日本的な雰囲気。

△「悦読館」の外観。奥のRC造の建物はビジターセンター。

△悦読館は、絵本の読み聞かせや講演などを行う畳敷きの多目的スペース。

△反対側からみる。

△日本家屋の高床を活かした空間構成。

△「創作坊」という日本家屋の外観。

△畳の部屋。

△当時の続き間の空間が残されている。

△企画展示が行われる「展覧庁」。

△展覧庁の中の和的な雰囲気のよい空間。

△ライター・イン・レジデンスのスペースとして使われている「繆思苑」。

△抹茶カフェ「平安京 Matcha One」が入居するリノベ住宅。

△抹茶カフェの日本家屋の前にしつらえられた坪庭。

△当時の防空壕も残されている。

△施設ガイドマップ。

△齊東舎の建物模型。様子がよく分かる。